更新日付:2025年5月28日

認知症

いったん発達した知能が様々な原因で、持続的に低下した状態

  • 代表的な診断基準としては以下2つのいずれかが用いられていることが多い。

国際疾病分類ICD-11

  1. 認知領域(記憶、実行機能注1、注意注2、言語注3、社会的認知および判断注4、精神運動速度注5、視覚認知または視空間認知注6)のうち2つ以上が以前のレベルから低下しているという特徴をもつ後天的な脳症候群である。
  2. 認知機能の低下は正常加齢によるものではなく、日常生活活動の自立を有意に妨げる。
  3. 利用可能な根拠に基づき認知機能障害は脳に影響する神経学的あるいは医学的な状況、外傷、栄養欠乏、特定の物質や薬剤の慢性的使用、重金属やその他の毒物によるものと考えられる。
  • 注1 実行機能とは計画をたて効果的に実行する能力
  • 注2 注意を持続したり注意を振りわけたりする能力
  • 注3 言語を表出したり、理解したりする能力
  • 注4 他人の気持ちに配慮した言動を行う能力
  • 注5 思考、反応、動作などのスピード
  • 注6 見た物を正確に知覚したり空間を把握したりする能力

NIA‒AA(米国国立老化研究所/Alzheimer 病. 協会ワークグループ)基準

認知症の臨床診断基準として記銘力障害を必須とはせずに,1)記銘力障害,2)理解と判断 の障害,3)視空間認知障害,4)言語障害,5)人格と行動の変化のうち、2つ以上があれば,認知症と診断。

参考文献

  1. 池田健 ICD-11・DSM-5準拠 新・臨床家のための精神医学ガイドブック 金剛出版 – 2022/5/12
  2. 認知症疾患ガイドライン2017 日本神経学会、 「認知症疾患診療ガイドライン」作成委員会
  3. 日本神経学会, 「認知症疾患診療ガイドライン 2010」 2025年4月

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