更新日付:2026年3月19日

【老年腫瘍学 全般】

論文タイトル:
A Lay Health Worker-Led Symptom Intervention and Acute Care Use in Older Adults With Cancer: A Randomized Clinical Trial

高齢がん患者を対象に、訓練を受けた非医療職スタッフによる電話での症状確認が、救急受診や入院を減らせるかを検証した多施設ランダム化比較試験です。

対象は75歳以上、新規診断・再発・進行がんを有する患者。
標準治療は通常の診療。試験治療は通常の診療+訓練を受けた非医療職スタッフが電話で定期的に症状を確認し、症状が強い場合や悪化した場合には医療者へつなぐ診療。
主要評価項目は、登録後12か月以内に救急外来受診または入院を1回以上経験した患者の割合で、症例数設計では2つの主要仮説を想定し、多重性を考慮してα=0.025に調整していた。
主要評価項目である12か月以内の救急受診と入院は、介入群でそれぞれ30.5%対47.7%(調整OR 0.47, 95%CI 0.32-0.71)、18.5%対39.8%(OR 0.32, 95%CI 0.20-0.51)。
総医療費も1人当たり平均1.2万ドル低下していた(P=.01)。
本試験は、高度な専門職でなくても、訓練を受けたスタッフが継続的に症状を確認し、必要時に医療へつなぐことで臨床的に意味のある改善が得られることを示しました。
この結果は、老年腫瘍学的に非常に示唆の大きい報告です。

雑誌名:JAMA. 2026 Feb 24;335(8):674-681.
PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41468027/
PMID: 41468027
DOI: 10.1001/jama.2025.23403

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【老年腫瘍学 全般】

論文タイトル:
Primary endpoints in randomized controlled trials for older adults with cancer: A scoping review

高齢がん患者を対象としたランダム化比較試験において、どのようなprimary endpointが用いられているのかを整理したスコーピングレビューです。

対象は、高齢がん患者のみを登録したランダム化比較試験。822試験のうち、66試験が解析対象。
Primary endpointの約75%は全生存期間や無増悪生存期間などの従来型のエンドポイントが約75%を占めた。
一方、HR-QOL、有害事象、高齢者機能評価(例:IADL)、患者満足度といった“高齢者らしさ”を反映する新規エンドポイントは約25%であった。
評価方法を見ると、HR-QOLはEORTC QLQ-C30が比較的よく用いられていたが、有害事象や高齢者機能評価はツールが統一されていなかった。
解析手法も標準化されたものは少なく、試験ごとにばらつきが大きかった。
その他、QOLと生存期間を組み合わせたquality-adjusted survivalや、身体機能・認知機能と生存期間を統合したdisability-free survivalなどの複合エンドポイントを用いた試験もあった

高齢がん患者では、「がん」だけでなく「高齢者としての機能」も含めて評価することが重要ですが、それを科学的に測定し、比較可能な形で扱うことは容易ではありません。
本論文は、そうした制約のなかで先行研究がどのようにprimary endpointを工夫してきたかを知るうえで、有用なまとめになっていると思います。

雑誌名:J Geriatr Oncol. 2026 Jan 29;17(2):102895.
PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41616435/
PMID: 41616435
DOI: 10.1016/j.jgo.2026.102895

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【老年腫瘍学 全般】

論文タイトル:
Clinical trials for older cancer patients: A systematic review

70歳以上の固形がん患者に限定した全身療法の第I〜III相試験313試験が解析対象。
phase Iは10.9%、phase I/II-IIは78.6%、phase IIIは10.5%であった。
目標症例数が記載されていた234試験では、90%以上を達成していたのは77.8%、早期中止割合は16%、primary endpoint達成割合は60.3%であった。
しかし、phase IIIに限ると、予定症例数の90%以上を達成していたのは51.6%、早期中止割合は39.4%、primary endpoint達成割合は35.5%であった。
phase IIIの登録期間中央値は43か月で、早期中止の主な原因は登録不良であった。
高齢者機能評価やQOL評価の導入も限定的で、GAは28.1%、QOLは23.0%の試験でのみ実施されていた。

著者らは、phase III試験の完遂率を高めるには、適格規準の緩和、老年科医や介護者の関与、地域医療機関との連携、分散型試験の導入など、登録を促進する工夫が必要だと述べています。
がんを患う高齢者試験の必要性を再確認すると同時に、第III相試験では登録戦略と評価項目の設計をより現実的に見直す必要があることを示したレビューとして興味深いと思いました。

雑誌名:Cancer Treat Rev. 2025 Dec:141:103045.
PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41218335/
PMID: 41218335
DOI: 10.1016/j.ctrv.2025.103045

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